ヒョウジケンガイ・再び
大みそかの夜にうちに一本の電話がかかってきた。
電話機のディスプレイには
「ヒョウジケンガイ」
これって多分海外からの電話らしい。
その日はおじいちゃんの家に行って、そこからオーストラリアのおじさんに電話して話をしていたのに、またおじさんかな??と言いながら、お父さんが電話に出ると・・・
何か様子がいつもと違うみたい。
「Yes,...ah...,please wait.」とか何とか、お父さんが英語話してるぞ!?
何とそれは夏にうちにホームステイしたベトナムのランさんだった!
「お姉ちゃんに変わってと言ってる」と受話器を渡されたお姉ちゃんの目がテン
それまでバカバカしいテレビを見て、ギャハハって笑っていたのが、一気に英語モードに引きずりこまれ、あたふたしているのがおかしくて他の皆も苦笑いしていたよ。
そしてちょっぴり話したけれど、単語が出てこなくてつっかえてばかりだったせいか、結局お母さんに変わってもらって最後までお母さんが話していた。
でもお母さんだって、電話で英会話なんてハッキリ言って苦手らしい。
ランさんの言う事の八割位は分かっても、どう答えたらいいか、なかなか話をつなげられずに結構大変だったみたい。
秋にランさんから届いていた手紙の内容を知っていたから、それと同じような事を話していたみたいだし、とにかく相手の真面目で温かい気持ちは伝わってきて、お母さんも自分達も楽しかったし嬉しく思うって言ったらしいよ。
ほんの10数分を超長く感じた国際電話を切ってから、皆はしばらくその話題で盛り上がっていた。
何よりお姉ちゃんの焦った感じが凄く面白かったって
もうすぐお姉ちゃんは学校の冬休み講習が始まるけど、きっとその話題が出るんだろうな。
お母さんからは「早く手紙の返事出さないからだよ」と注意されていたけど、学校の宿題もあるし、バンドの練習もあったり、何かと忙しいお姉ちゃん。
いつ返事を書くんだろう?また「ヒョウジケンガイ」の電話が来たりして??